◆H2& FC EXPO出展社インタビュー
「株式会社中央エンジニアリング」様
展示会とは、知名度がなくても
国際的な舞台に参入できるチャンス。
<お話をうかがった方>
株式会社中央エンジニアリング
誘導推進事業部 機器開発技術部 先進技術開発グループ グループ長
坂 聖光 様
中央エンジニアリング様は、2022年のFC EXPOに環境負荷に考慮した「水素発生装置」と「長時間発電燃料電池」のプロトタイプを初出展。予想を超える反響に、続く2023年、次年度2024年への出展を決定されました。説明会を聞いた後に前倒しで初出展を決めたという担当者様に、初出展の決め手や出展後の顧客層の変化など、リアルな現場のお話をうかがいました。
◆出展予定はなかったのに、熱意と勢いで決定。
―中央エンジニアリング様は「航空宇宙分野」や「産業機器分野」における技術支援や受託開発など、ソリューション提供を行っていることで有名です。FC EXPO初出展は、新たな分野としてオリジナル開発された「水素発生装置」がきっかけだったとお聞きしています。
坂 当社は航空、宇宙、自動車、産業機械、情報通信、家電、医療機器といった多岐にわたる業界に対して幅広いソリューションを提供しておりまして、設計や開発、解析といったものが主力です。近年は「ワンストップサービス」として、ものづくりにも力をいれています。FC EXPO展示会に登場した「水素発生装置」は、この流れの中で、日新化成株式会社様より脱炭素社会の実現に貢献できる製品を共同開発しませんかというお話をいただいたことから生まれたものです。
私達の「水素発生装置」は電気ゼロの「化学反応」を使った方法で水素を製造します。半導体工場から廃棄物としてでるシリコンを再利用して、危険な高圧ガスも使わず、CO2も発生させずに効率的に水素を発生させます。非常に環境に配慮した装置であるだけでなく、取り扱いが容易なのが特長です。
―社内的にも業界的にも新機軸となる製品のお披露目の場所として、FC EXPOを選んでいただけたのは何故でしょうか。
坂 スマートエネルギーウィークやFC EXPOの存在を知ったのは、共同開発がスタートしてマーケティングをしていた時です。早速情報収集をと、説明会に参加しました。かなり大規模な展示会であることが分かり、新規参入する企業が目立つためには、非常にいい舞台になるのではという魅力を感じました。とはいえ、まだ当時は実験機しかありませんでしたから、出展の予定は全然なかったのです。しかしRX Japanの担当者の方がとても熱意のある方で、出展ブースも大変良い場所を提供してくださったことで、その熱意にのって勢いで出展を申し込みました。共同開発の日新化成様にも社内にも事前相談せずに進めてしまったのですが(笑)、その後、説明をして各所に了解をいただけ、2022年にFC EXPO初出展を実現できました。
◆初年度目標数を会期途中で達成し、翌年は倍に。
―FC EXPOは世界最大の水素にかかわる展示会です。水素関連の製品をPRする場として、RX Japanでは自信をもってお勧めをしておりますが、結果はいかがでしたか。
坂 大きな反響を得られました。確かな手ごたえがありましたので、次の2023年の出展もすぐに決めることができました。初回の2022年度は原理が確立して装置化できたところで、コンセプトモデルという形でデモ機を出展。2023年はさらにブラッシュアップした、製品に近い形のものを出展しました。初年度は来場者400人を目標としてパンフレットを500部用意したのですが、それが途中で全部無くなってしまって追加で500部を発注することになりました。翌年度はその倍を準備してパンフレット2000部を置いたのですがほぼ無くなりました。ブースには1500人以上来ていただいたと思います。直接お話をさせていただくまでになった方も400人近くいらっしゃいました。
―当日の賑わいはすごかったですよね。私も会場にうかがったのですが、人の波が絶えず坂さんになかなか話しかけられずに何度もブース前を通ったのを覚えています。展示会より3カ月が過ぎた現在も、お客様とのお話は続いているのですか?
坂 そうですね。そしてさらに展示会会期後にもメールや電話で接触していただけたケースも21社ありました。現状では5社の企業様からは、実際に製品が欲しいというとろこまで継続してお話しさせていただいております。
実は当社には営業部がありません。そのため通常はHPからのお問い合わせや飛び込みなどがメインになっています。ですので展示会での営業活動は非常に有効でした。また、名古屋と愛知県が事業拠点になっておりますが、東京ビッグサイトで開催されるFC EXPOはやはり反響が全然違いました。首都圏だけでなく全国のお客様や、海外のお客様も多くいらっしゃっていて、規模の大きさと来客者の幅広さを感じました。当社のブースにも海外のお客様が何ヵ国かいらっしゃり、そのうちの1社様とは現在、商談が続いております。
―なるほど、それは嬉しいお話ですね。中央エンジニアリング様には営業部がないとのことですが、展示会場ではどのように対応されていたのですか?
坂 中央エンジニアリングより私を含めて3名、共同開発している日新化成様より3名の計6名により展示ブースを担当しました。日新化成様は商社なので営業部隊がありますので、実際の販売に関してはこちらが窓口となります。装置の開発は当社が担当しておりますので、装置に関する詳しい説明が必要な場合などには一緒に動いております。
―展示会出展を通じて、全般的に良かったなと思う部分をお聞かせください。
坂 大きくは2つありまして、まずは製品PRができたことです。大規模で国際的な展示会に、知名度がない中小企業である我々が新規参入できるというのは、展示会ならではのチャンスです。そして実際に狙い以上の成果がでたので、非常に良かったと思います。
もう1つはですね、お客様の声を聞けることです。生の声を聞けるのは非常に大きい。説明をさせていただく過程でもいろいろなご意見を聞くことができ、それを開発にフィードバックできるのはより良い製品作り、ニーズにあった製品作りのために貴重です。また製品に関する細かい説明ができることは、製品の魅力を伝えるのに役立っていると思います。
我々のPRの場はFC EXPOを中心にやっていこうと考えておりまして、2024年の出展も既に決定しています。展示会規模の大きさが魅力であるとともに、「水素」というキーワードは非常に浸透しつつある中、この大きい流れをビジネスチャンスにしたいと考えています。脱炭素は全世界的に取り組むべきテーマであり、企業として一生懸命取り組んでいきたいと考えています。
―最後になりますが、出展準備の段階でお困りになった点などがあれば率直にお聞かせください。
坂 問い合わせ等のレスポンスは早くて良いですね。ただ、いろいろとシステムが毎年更新されているので、そこが少し分かりづらい部分があります(笑)。以前より期間も短くなっているので、よくウォッチしていないと期限が過ぎてしまったりして困惑したこともありました。
―率直なご意見をありがとうございました。皆様からのお声をもとに、改善へとつなげてまいります。2024年FC EXPO出展を既に決定されたということで、次回もぜひよろしくお願いいたします。
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■ 中央エンジニアリング
2023出展「オリジナル水素発生装置」とは?
工場等で大量に廃棄されるシリコンを原料として水素を長時間安定して製造できる水素発生装置を独自技術で新開発。水素発生後にできる残滓も再利用が可能。さらに一般的な水素発生装置と違い高圧ガスや劇薬などを全く使用しないため、社内に特別資格者を置く必要なく、取り扱いも容易です。燃料電池と組み合わせることで、発電機として使うこともできます。
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